マイカーローンの返済が出来ないときにとる手段の1つが任意整理です。任意整理をすると車を自分の手元に残したまま、将来利息のカットや現在の月々の返済金額が楽になるのでしょうか。ただ、任意整理を利用した場合、信用情報に記録が残りますので、最終手段の1つとして考えた方がいいでしょう。今回はマイカーローンの任意整理について紹介をします。
任意整理とは?
任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と返済の方法や返済額などを交渉することで、債務者が返済をすることが可能となる条件で合意を成立させるというものです。
裁判所などは関与することはありませんので、官報などに名前が載ることはありませんし、極めて容易に実行することができるので、すべての債務整理の手続きの中で、任意整理はもっとも多く利用されています。
しかし、任意整理をした場合、ブラックリストに名前が載りますので、今後5年間はローンやキャッシングを利用することが出来なくなります。
また、マイカーローンを任意整理しようとした場合、相手が応じないとこれは利用することができませんし、車の所有権が自分にないと、任意整理を選択した場合、車を売却させられてしまいます。
任意整理の特徴
任意整理は、特定の債務や業者を選んで、任意で交渉することができる債務整理の1つです。他の債務整理の場合ですと、債権者平等の原則というものの観点から、特定の債権者のみに返済をすることというのは禁止されています。
一方、任意整理の場合では、債権者と債務者の話し合いによる和解を目指すものですから、特定の債権者と減額交渉をすることが可能になります。すべての債務を対象にする必要もないのです。
そのため、車を所有したまま債務整理をすることが可能なのです。つまり、任意整理の対象からマイカーローンを外すことも可能ですし、マイカーローンを任意整理することも可能です。
任意整理が出来るマイカーローンは?
任意整理を選択することができるのは、銀行系のマイカーローンのときだけです。銀行系のマイカーローンの場合、車を担保に取っていないことがあります。
自動車を残したまま任意整理をすることが出来ます。任意整理をすることで、将来利息のカットの交渉を行なうことができ、相手が応じることで和解となりますので、和解した金額を返済することが可能です。
ただ、銀行系のマイカーローンに関しては、都市銀行でも地方銀行でも、そして信用金庫であっても、基本的に金利は低く設定されています。金利はだいたい2~6%程度です。
そのため、例えば、マイカーローンとして200万円の融資を年3%で受けて、3年で返済する計画を結んだとしても、利息は9万円程度になります。ここで、任意整理の交渉をしても、全く返済をすることなく任意整理の交渉をするという方は少ないと思うのですが、数回返済をした上で任意整理をして、将来利息を全額カットすることで和解しても、はっきりいって大幅な減額にはなりません。
その上で、弁護士や司法書士への報酬などが発生しますので、マイカーローンそれ自体を任意整理するというのは、あまり得策ではありません。この場合、マイカーローン以外の借金を任意整理すること、そして、任意整理のリストからマイカーローンを外すことの方が重要になります。
ディーラーローンの場合は任意整理をしてはいけない
銀行系のマイカーローンを任意整理しても、あまり意味がありません。
では、銀行系よりも金利の高いディーラーローンを任意整理した場合、有利になるのかといえば、そのようなことはありません。
任意整理に応じてくれるものの、車の所有権はディーラーやクレジット会社が持っていますので、車は没収されて売却されます。その後、残った借金の将来金利のカットには応じてくれるというのです。
つまり、ディーラーローンの場合、車を手元に残したまま、任意整理の交渉を相手とするということができません。この場合であっても、ディーラーローン以外の債権者と任意整理をする方が得策です。
まとめ
マイカーローンを任意整理することは可能です。しかし、マイカーローンを融資してくれる銀行と任意整理の交渉をしたとしても、そこまで大きなマイカーローンの減額というのは期待することができません。
また、ディーラーローンの場合では、車の所有権を持っていませんので、任意整理の交渉をした場合、車は没収の上、売却されてしまい、残ったマイカーローンの将来利息額のカットの交渉になってしまいます。
任意整理を考えるのであれば、マイカーローンを任意整理から外して、その他の債権者との交渉をして、将来利息カットなどをした方が得です。